今や、通勤通学時につけている人を見ない日は無いほど普及したワイヤレスイヤホン。
なかでも、ケーブルを完全に廃し、ノイズキャンセリング機能などを備えた完全ワイヤレス(TWS)イヤホンが最も人気の機種になっています。
この記事ではワイヤレスイヤホンの特徴や種類をまとめながら、1〜2万円で購入できるワイヤレスイヤホンを紹介していきます。
ワイヤレスイヤホンを選ぶ時に確認したい5つのポイント
Bluetoothコーデック
Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンを購入する時に必ずチェックしておきたいのが、Bluetoothコーデックです。
ここでいう「コーデック」とは、Bluetoothで曲のデータをスマホからイヤホンに送るときの仕組みのことです。
標準の「SBC」以外のBluetoothコーデックを使用するには再生機器(スマホ・PC等)とイヤホンの両方が対応している必要があります。
Bluetoothコーデックにはいくつかの種類があり、コーデックによって音質の良し悪しや発生する遅延のレベルが左右されるので、目的に合ったコーデックに対応している製品を選ぶと良いでしょう。
| コーデック | 特徴 |
| SBC | 標準のコーデック。ほぼ全てのBluetoothイヤホンが対応している。 |
| AAC | おもにiPhone・iPadが対応している。SBCより高音質。 |
| aptX | AndroidスマホやWindows10以降で対応している。AACより高音質。 |
| aptX LL | LLはローレイテンシ(低遅延)という意味。ゲームや動画視聴に向いている。 |
| aptX HD | 48kHz/24bitのハイレゾ対応。遅延は大きめ。 |
| aptX Adaptive | 96kHz/24bitのハイレゾ対応。高音質かつ遅延が少ない。 |
| LDAC | 96kHz/24bitのハイレゾ対応。一部のAndroidやWalkmanで対応。このなかで最も高音質。 |
装着方式
また、無線・有線を問わず、イヤホンを選ぶ際に注意しておきたいのが耳への装着方式です。
カナル型

カナル型は、音の出るノズル部分にイヤーピースと呼ばれる耳栓のような部品がついたタイプのイヤホンです。
イヤーピースはシリコンまたはウレタン製で、耳栓のように完全に耳を密閉するため、周囲の音を遮断し、音漏れを防ぐことができます。
密閉型とも呼ばれ、低音を逃さずに再生できるため、重低音やノイズキャンセリング機能を重視する方におすすめです。
また、イヤーピースは交換が可能なため、自分に合ったサイズのものが選べるほか、好みのイヤーピースを取り付ければ音質向上やフィット感の改善が期待できます。
インナーイヤー型

インナーイヤー型は耳に引っ掛けるタイプのイヤホンで、有名なものではiPhoneに付属していたEarPodsなどが当てはまります。
開放型やオープンイヤー型などとも呼ばれ、広い音場(音の聞こえる範囲)や抜けのいいクリアな音質が特徴です。
しかし、カナル型のように耳を密閉することができないため、低音が逃げやすく、音漏れがしやすいのが欠点です。
イヤーカフ型

開放型の一種として最近人気が出てきているのが、イヤーカフ型と呼ばれるタイプです。
耳をふさがず、イヤリングのように耳を挟み込む形状を採用しており、アクセサリー感覚で身につけることができます。
耳をふさがないため音質は一歩劣るものの、周囲の音が聞こえ、会話も可能なため安全性の面からもメリットを感じられる注目の装着方式です。
ノイズキャンセリング性能

最近のワイヤレスイヤホン選びで重視されているのが、ノイズキャンセリング性能です。
厳密には、耳栓タイプのカナル型イヤホンなどで外音を遮断することもノイズキャンセリングに含まれるのですが、ほとんどの場合、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能のことを指して使われることの方が多くなっています。
アクティブノイズキャンセリングとは、簡単にいうとマイクで周囲の雑音を取り込んで、それとは真逆の音をつくり、イヤホンから同時に再生することで雑音と真逆の音が打ち消し合ってプラマイゼロ、無音になる、という仕組みです。
しかし、ノイズキャンセリングといっても完全に雑音を打ち消せるというわけではないため、話し声や突発的な音、甲高い音などに対しては効果が薄いことが多く、電車やバス、飛行機の走行音やエンジン音などの継続的なノイズを軽減して、そういった雑音に埋もれがちな低音を聴きやすくする、といったメリットの方が大きいようです。
Bluetoothバージョン・マルチポイント接続対応
Bluetoothバージョン

Bluetoothにはコーデックのほかにバージョンという規格があり、音質にはさほど影響しないものの、通信の安定性や消費電力などに影響があるようです。
2009年に発表されたBluetooth4.0以降のバージョンではそれぞれに互換性があるため、バージョンが異なるから接続できない、ということはほぼありません。
ワイヤレスイヤホンでは現在、ほとんどのモデルで5.0以降が主流になっているため、なるべく最新のバージョンに対応したイヤホンを購入した方が良いでしょう。
マルチポイント接続対応
一部のワイヤレスイヤホンでは、同時に複数の機器と接続できるマルチポイント接続というものに対応しています。
同時に複数の機器とペアリングできるマルチペアリング機能というものもありましたが、こちらはいったん接続を解除する、もしくはもう一方の機器で接続し直すことで接続機器の切り替えを行うものです。
マルチポイント接続では、同時に複数の機器(例:スマホとPC)と接続し、タブレットで音楽を再生していてもスマホに着信があれば即座にスマホからの音声を再生できる、といった機能のことです。
非常に便利な機能ですので、日頃から同時に複数の端末を使用している方はマルチポイント接続対応のイヤホンを選ぶことをおすすめします。
防水性能

屋外での使用やランニングなどのスポーツをしながら音楽を聴く方は、防塵・防水性能についてもチェックしておいた方が良さそうです。
防塵・防水性能はIP◯◯と表記され、左側の数字が防塵、右側が防水規格の等級を表します。例えば、IP54では防塵が5、防水が4等級の性能を保有していることを示します。防水規格のみを表示するときはIPX◯という表記も見られます。
現在発売されているワイヤレスイヤホンでは、「IPX4」という防水規格に対応したものが主流になっています。IPX4は「あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない」防水性能と定義されており、ちょっとした雨やシャワーがかかる程度では問題ないようです。
運動しながらの使用や雨や汗を気にせずに使いたい方は「IPX4」以上の規格に対応したものを選んでおけば安心です。
おすすめワイヤレスイヤホン
JBL LIVE BEAM 3
充電ケースのタッチディスプレイが特徴的な、米JBL社のノイズキャンセリング・ワイヤレスイヤホン。
リアルタイム補正機能付きハイブリッドノイズキャンセリングにより、効率的に雑音を低減することが可能。
コーデックはSBC、AACの他にLDACに対応し、ハイレゾ相当の音質をワイヤレスでも楽しめます。
充電ケースのディスプレイからは、再生コントロールやイコライザ機能のほか、お気に入りの画像を待ち受けとして設定することが可能。
防塵・防水性能はIP55に対応。有害な影響を及ぼす粉塵を防ぎ、噴流水に対して防水性能を発揮します。ランニングなど屋外で使用する方にも安心のスペックです。
JVC Victor nearphones HA-NP1T
日本の音響機器メーカー、JVCのイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン。
耳をふさがずに音楽が聴けるイヤーカフ型を採用しており、シーンを選ばず気軽に使用できるのがポイントです。
5色のカラーバリエーションが用意されており、高いファッション性も持ち合わせています。
周囲の音漏れにも配慮しつつ、10mmドライバーにより開放型でもクリアな音質を実現した、今注目のモデルです。
SONY WF-C700N
高いコスパを誇る、SONYのノイズキャンセリング対応ワイヤレスイヤホン。
エントリーモデルながらノイズキャンセリング、外音取り込み機能を備え、ケース込みで最大15時間の再生が可能。
SONY独自の「DSEE」機能によりワイヤレスでもCD相当の高音質を実現。2台の機器と同時接続できるマルチペアリングにも対応。
はじめてノイズキャンセリングイヤホンを試してみたい方にもおすすめの高コスパモデルです。
ANKER Soundcore Liberty 4 NC
高コスパオーディオでお馴染みの中華メーカー、ANKERのワイヤレスイヤホン。
11mm大口径ドライバーによりパワフルなサウンドを提供。LDACコーデックに対応し、ハイレゾ相当のワイヤレス伝送が可能。
耳の形を測定し、最適化されたノイズキャンセリングを実現する「ウルトラノイズキャンセリング3.0」により、「Anker史上最強ノイズキャンセリング」を謳っています。
急速充電やワイヤレス充電にも対応した高機能モデルです。
パナソニック Technics EAH-AZ40M2
パナソニックのTechnicsブランドのノイズキャンセリング・ワイヤレスイヤホン。
上品でコンパクトなデザインが特徴で、日本人の比較的小さな耳にもフィット。PEEK振動板ドライバーによりパワフルかつリアルなサウンドを提供します。
BluetoothコーデックはLDACに対応し、ワイヤレスでもハイレゾ相当の高音質で音楽が楽しめます。
マルチポイント接続により3台のデバイスに同時接続でき、素早く切り替えが可能です。
音質、デザイン、ノイズキャンセリング性能、機能性すべてのバランスが高次元で整ったおすすめのモデルです。


